フォルテピアノを知っていますか?

フォルテピアノを知っていますか?

フォルテピアノを知っていますか?

みなさん、こんにちは。私はフォルテピアノ奏者の江黒真弓です。
このページでは、「フォルテピアノとは何か?」ということからその魅力まで、紹介していきます。

元々、ピアノが発明されたのは1700年頃だと言われています。イタリアのフィレンツェで、メディチ家楽器工房主任クリストーフォリという人が発明しました。それから様々な国で、音域、姿、音を出す仕組み、音のボリュームなど、様々な時代のピアノ職人達の手によって、試行錯誤が繰り返されました。そして、現在の仕組みのピアノへと変化していきます。
それらの歴史的な鍵盤楽器を総称して「フォルテピアノ」、又は「ピアノフォルテ」と呼んでいるのです。実際、昔の音楽家たちも、「フォルテピアノ」と呼んでいたようです。ドイツでは現在のピアノと区別するために「ハンマーフリューゲル」と呼んでいます。フォルテピアノと言っても、時代によって様々なタイプのピアノがあることを強調しておきます。

現代のフォルテピアノ奏者は、作曲家がその作品を生み出した当時のピアノにより近い楽器を選んで演奏します。現代の感覚から言いますと、フォルテピアノは古い楽器と思ってしまいますが、過去大活躍していた作曲家たちにとっては、当事最先端のピアノを使って、表現を試みていたわけです。

大雑把に時代の流れをとらえますと、以下のようにピアノは変遷を辿ります。

1700年頃
ハンマーで弦を叩くピアノが発明される(チェンバロからの変化)
18世紀後半~19世紀初期
5オクターヴや5オクターヴ半の音域のピアノが主流(ウィーンで製作されることが多かったことから、ウィーン式ピアノと呼ぶ)
1770年代
イギリスで発明された、より頑丈な仕組みのイギリス式ピアノ
19世紀
ウィーンでは音域も拡大(6オクターヴ、6オクターヴ半)。様々なペダルの仕組みも工夫された(ロマン派時代、ウィーン式ピアノ)
19世紀~20世紀
フランスではエラールやプレイエル、ドイツではべヒシュタインやブリュートナーといったピアノ製作工房が活躍(イギリス式ピアノ)
1908年
ベーゼンドルファーがウィーン式のピアノ製作をストップ。これがウィーン式ピアノの終焉。
20世紀
スタインウェイの全盛期

チェンバロから「強弱の出せるチェンバロ」というアイディアで生まれたピアノは、産業革命が起きる前、小さな工房で全て職人の手で作られていました。職人達の命が吹き込まれ、そして1台1台が違った音色に生み出されていきました。戦火や災害を逃れ、残っている古いピアノたちはそう多くはありません。現代では、数多くの楽器製作者が、資料に基づきレプリカを製作しています。しかし、ヨーロッパにおりますと、残された歴史ピアノそのものを弾く機会に恵まれます。

フォルテピアノ
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